1995年4月15日〜7月8日まで日本テレビの土曜グランド劇場で放送された連続ドラマ
土曜21:00〜21:54(全13回)
スタッフ
企画・原案:野島伸司
企画協力・監修:野島事務所
キャスト
相沢すず:安達祐実
相沢悟史:内藤剛志
相沢陽子:田中好子
牧村晴海:堂本光一
木崎絵里花:榎本加奈子
白石恭子:川島なお美
一条泰三:西村晃
黒崎和彦:京本政樹
解説
一世を風靡した『家なき子』から1年。今回は中学生になったすずが、陰謀渦巻く一条家の遺産争いに巻き込まれ、前作以上のいじめ、愛するものの裏切り・死という試練を乗り越え、強く生き抜いて いく様を描き、前作に引き続き平均視聴率22%を超える大ヒットとなりました。
一条家の周囲で次々と引き起こされる連続殺人事件の犯人は誰か?、というミステリー的要素も加わったこのシリーズでは、先の読めないストーリー展開の強引さに更に磨きがかかり、 登場人物の大半が何らかの形で死んでしまうという凄まじさ。また、 一条絵里花(榎本加奈子)がすずを苛める際に発する、「絵里花が満天に輝くお星様なら、すずは味噌汁のだしに使われるただの煮干」というようなたとえ台詞も話題になりました。
さて、前作に引き続き黒崎和彦役での出演となった京本さんは第6,12,13話に登場しました。
あの伝説の黒崎医師が帰ってきた!ということで、このシリーズ初登場となった6話放送時には顔写真入りの新聞広告が出され、サブタイトルでも「背徳のメス!奇跡の医師登場!」と大々的に黒崎先生の再登場を後押しするほどの人気ぶり。
のっけから一条家の乗っ取りを企む氷室(萩原流行)の策略により、左手を自ら切断するというショッキングなシーンでの登場となった黒崎先生。前回同様ひたすらカッコイイの一語に尽きるのですが、今回はそれに加えてとにかく熱い!あのクールなイメージから一転して、今回は怒りや哀しみといった激しい感情を表に出すシーンが随所に見られます。
まずは6話。左手を失ったことにより、もうメスを持てないと酒びたりになる黒崎。この時のやさぐれっぷりがもうたまりません。 そのワイルドな魅力には思わずゾクゾクっときてしまうほど。
また、12話ではすずを救うため、倉田(嶋田久作)相手に熱弁を奮うという珍しい姿も見られます。
そして最終回、母親と同じ心臓病に冒されたすずの執刀を手がけた黒崎は、大事な輸血用血液を氷室=木崎に奪われたため、手術を途中で中止せざるを得なくなります。 1人手術室から出て憔悴しきっていると、すずが弟のように可愛がっていた歩に「助けてくれるって言ったじゃないか」となじられ、「私は神様ではないんだよ」と答えるシーン。 この時の今にも泣き出しそうな表情、打ちひしがれた声。あのクールで無敵な黒崎が初めて見せた弱さ。これは兎にも角にも必見です。
前回同様、出番はさほど多くないため、登場シーン全てが見どころかつ、重要な役割を担った黒崎先生。
ラスト、1人ぼっちになってしまったすずに「寂しくなったら いつでも連絡してこい」と向けた笑顔の優しさ、温かさともども、決して忘れることの出来ない名嵌り役のひとつです。
文:紫苑