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テレビ東京「斬り捨て御免!2 初回スペシャル」

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1981年4月10日に放送された、テレビ時代劇「斬り捨て御免!2」の初回2時間スペシャル

スタッフ

脚本:鈴木生朗
監督:森一生

キャスト

花房出雲:中村吉右衛門
宇部伝十郎:川崎公明
勘兵ヱ:小島三児
天真:中村玉緒
大和守:佐藤慶
新堂小弥太:京本政樹
ほか

解説

江戸市中八百九十九個所に設置された武家番所。その中でも享楽外に面した三味線堀の三十六番所。
ここは喧嘩・揉めごとの仲裁など、庶民のお助け的な些細な事件が多いことから、”どぶさらい番所”という不名誉なあだ名がつく一方で、実は江戸で唯一斬り捨て御免が許された、知る人ぞ知る鬼番所でもあった。
その鬼番所を舞台に、頭取・花房出雲(中村吉右衛門)と番士達の活躍を描いた『斬り捨て御免』。
タイトルどおり、毎回これでもか!と悪人を斬り捨てる本格時代劇として好評を得、半年後に再び製作された『新斬り捨て御免』。 京本さんは、シリーズ初回2時間スペシャル(再放送では前・後編として放映)にゲストとして出演されました。

首を絞められ、喉を切られた若い女の死体が乗った小船が発見される事件が発生。顔を潰され、元結いも切るほど身元を隠す工作がされていたが、瓦番屋の勘兵衛(小島三児)が見たという蝶々のアザから、大奥に奉公に上がっていた甲州屋の一人娘・お浪と判明。
出雲は事件のあった川に花を手向ける、謎の御高祖(おこそ)頭巾の女性と出会い、後をつけるが武士達の襲撃に遭う。女が逃げ込んだ先は壽命院という寺で、どうやら事件と関わりがあるらしい。
そんな折、新人番士・新堂小弥太が、壽命院の院主・天真(中村玉緒)が所持する笛袋と同じ古金蘭の守り袋を身に着けていたことに疑問を抱いた出雲は、小弥太の父を尋ね彼の出生の秘密を知る。
一方、壽命院の秘密を探るため、潜入した関大介(長門勇)により、側室・お加代の方(中島ゆたか)と大和守(佐藤慶)の恐るべき企みが明らかに。彼らの陰謀を阻止するべく、出雲は小弥太に遂に三十六番所の秘密を明かし、壽命院へと向かった……。

デビュー以来4作目の時代劇となった、この作品で京本さんが演じたのは、新人番士・新堂小弥太。
『META時代劇』にて”この頃には時代劇の勉強を重ねた成果で鬘姿もサマに”と述懐されているように、同心特有の中剃りの鬘姿が、役柄同様きりりと初々しい感じにとてもよく似合っています。
更に、この作品では目張りが入っていない、という大きな特徴が(笑)。けれども、その清々しい目元や、台詞回しや立ち居振る舞いひとつひとつが、真面目で正義感が強く若竹のような好青年、という小弥太の性格を反映したような一途さに溢れ、見ていてとにかく気持ちがいい!
また、驚きいっぱいに目を見開いたり、唇を少し尖らせ拗ねたような顔の可憐さや、さりげなく眉を使った感情表現など、細やかな表情の変化が豊富なおかげか、何気にアップが多いのも嬉しい限りです。

芸達者な演技派のベテランに混じっての熱演は、どれも必見ですが、クライマックスでの天真の腕の中での壮絶な死、これは兎にも角にも必見です。
天真の呼びかけに息も絶え絶えに答える小弥太の声、投げ出された腕までもが、中村さんの流石!ともいうべき大熱演も手伝って、この母子が辿られねばならなかった運命の痛ましさを伝えて余りある姿に涙を禁じえません。それにしても、この時点でこれだけの死に演技を魅せてくれる凄さには、改めて死に役者としての天性を見るようで、ただただ脱帽です。

その他にも懸命に走る姿や、飲み屋の女将に甘える姿など色々見どころ満載な、若き日の京本さんの魅力がたっぷりつまった、かなりお薦めな1本です。

最後に、ドラマの内容とは無関係ですが、全編を通じで出演者が台詞を発するたび、画面に流れる白い息に、当時の寒中を押しての撮影の苦労が偲ばれ、頭が下がります。

文:紫苑

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