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テレビ朝日「時の渚~衝撃の運命~」

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2001年12月1日にテレビ朝日で放送された2時間サスペンスドラマ
サントリーミステリー大賞スペシャル

スタッフ

脚本:土屋保文
監督:松本明

キャスト

茜沢圭:渡辺徹
茜沢裕美:有森也実
駒井昭伸:京本政樹
真田:六平直政
芽久美:香坂みゆき
吉永亜希子:名取裕子
バーテン:山城新伍 松浦:藤田まこと
ほか

解説

1983年に朝日放送、文藝春秋、サントリーの主催により創設された新人賞「サントリーミステリー大賞」。新しいミステリー文学による新しいエンターテイ ンメントの創造をめざし、アマ・プロ、国籍を問わず、書き下ろしの公募作品を募集し、最終候補作の中から大賞、読者賞、佳作賞を選考。 大賞受賞作品は、テレビ朝日がドラマ化し、サントリーミステリー大賞スペシャル枠にて全国放送。ミステリー界の新人登竜門として、2003年にその幕を閉 じるまで毎年多数の応募作品の中から選りすぐられた作品を送り出しました。
今回取り上げるのは、第18回大賞受賞作品『時の渚』(笹本稜平著・文春文庫、文藝春秋刊)です。

警視庁捜査一課に勤務する茜沢圭(渡辺徹)は、愛する妻・芽久美(香坂みゆき)と可愛い息子・和樹(高岡翼)の3人で幸せな日々を送っていた。そんな彼が 自身の誕生日に妻と息子を交通事故で突然失ってしまう。芸能プロダクション社長の駒井昭伸(京本政樹)という男が、自宅に入った強盗犯を追っている途中、 2人をはねてしまったのだ。 現場に駆け付けた茜沢に土下座をし詫びる駒井の姿に、しかし茜沢は逆に不信感を覚え、事件が過失ではなく故意だと確信する。
駒井について調べようと、馴染みのバーテン(山城新伍)に教えられた男に会うため向かった先に現れた駒井本人に怒りを抑えることができず、ボコボコにしたところを駒井が連れてきていた写真誌の記者に撮られ、それが元で茜沢は警察を辞めることに。
そんな中、知り合いの検事・吉永亜希子(名取裕子)から紹介を受けたという松浦(藤田まこと)と名乗る老人が茜沢を訪ねて来る。家出をしたまま行方をくらましている孫娘の詩織(岸田奈緒美)を探してくれ、と頼む松浦にそんな気持ちになれないと断る茜沢 だったが、妹の裕美(有森也実)の助言もあり引き受けることに。
手がかりを元に3人で向かった高田馬場のマンションの一室で、絞殺死体となった詩織が発見される。彼らが部屋に入る直前、逃げるように出てきた若い男が犯人では?と思う茜沢だったが、 ほどなくして現れたかつての上司・真田(六平直政)からあらゆる状況証拠から自身が容疑者であることを告げられる。

何とか逃げおおせた茜沢は手がかりを掴むため、京都へと向かう。昔馴染みの京都府警の西尾(山崎邦正)の世話になりながら、詩織の死因を探るうち、詩織を東京へと誘いだした清原(柚原旬)が駒井とつながりがあることを突き止める。
駒井が清原を使い自身を陥れようとしたに違いない、そう思ったのもつかの間、今度は清原が首を吊っているのが発見される。しかし、詩織が殺された日も、清原が殺された日にも駒井にはアリバイがあった。
一方、事件直後から裕美の元に”WING OF ANGEL”と名乗る人物から怪メールが届くようになっていた。裕美と圭の秘密を自分は知っている、血液型を調べてみればわかる。という文面に裕美はずっと心の奥にしまい込んでいたあることを思い出す……。


この作品で京本さんが演じたのは、あらすじにも登場する駒井昭伸。芸能プロダクション社長として、怪しげな雰囲気満載の美青年。
探偵事務所Vの項にも書きましたが、この駒井昭伸という男は2時間サスペンスにおける京本さんが演じた三大悪役のひとつ。その極悪非道、イカレっぷりは 恐らく?1では?という役どころです。
この作品はサントリーミステリー大賞の映像化でありながら、ストーリー展開などをドラマ化にあたり大幅に改編。原作が親子の絆、愛、というものを考えさせる作品だったのに対し、ドラマでは 運命を捻じ曲げて受け止めてしまったが故の悲劇を描いています。その分、駒井の極悪非道さ、狂人ぶりがより強調された形になってしまった印象を受けます。
とはいえ、この手の演技はもはやお手の物の感な京本さん。冒頭の土下座するシーンや、観覧車の中での見事なまでの殴られっぷりなど、思わず顔を背けたくなるシーンも逆に魅入られせてくれます。
また、当初は卑屈にさえ見えた駒井がストーリーが進むにつれ、茜沢に対し傲慢になっていくのも見ものです。六角堂で裕美との待ち合わせに現れた際に、足元の動きのみで怪しさを見せつけたシーンや、 終盤からクライマックスまでの壊れっぷりも見どころです。挑発的な台詞を吐き暴れまくる一方で、ひょこっと一瞬見せる笑顔がやけに可愛いシーンもあったりするので侮れないというか、見逃さないよう注意しましょう。
その非道さばかりが目につく駒井の言動ですが、少し視点を変えてみると、ずっと負の感情を抱え続けたまま成長していくと人はあぁなってしまうこともあるのかもしれない、と色々考えさせられる人物でもある気がします。
全体的に救いのない内容のため、どうしてもやり切れなさがつきまとう中、ふとしたシーンに流れる音楽を担当した故・羽田健太郎氏が奏でるピアノの調べに癒されます。

尚、この作品では松浦役で藤田まことさんが出演。必殺!以来の共演となりましたが、原作同様、実際の絡みがなかったのがちょっぴり残念でした。

文:紫苑

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