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日本テレビ 火曜サスペンス劇場「小京都ミステリー(29)郡上おどり殺人事件」

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2001年1月16日にテレビ朝日火曜サスペンス劇場で放送された2時間サスペンスドラマ

スタッフ

脚本:いずみ玲
監督:野村孝

キャスト

柏木尚子:片平なぎさ
山本克也:船越英一郎
三宅雅之:京本政樹
倉橋敦子:真行寺君枝
広瀬忠彦:金山一彦
加藤奈々子:いしのようこ
ほか

解説

フリーライターの柏木尚子とフリーカメラマンの山本克也が、取材に訪れた全国各地の小京都で遭遇した事件を見事な推理で解決する”小京都ミステリー”シリーズ。
片平なぎさと船越英一郎という2時間サスペンスの女王と帝王がタッグを組んだこのシリーズは、1989年1月24日放送『小京都連続殺人事件』から2001年10月9日放送『エジプト・パピルス殺人事件』まで30作もの長きに渡り製作された 人気シリーズ。
ちなみにミステリー界の女王・山村美紗氏の名探偵キャサリンシリーズにも同名の作品がありますが、そのドラマ化ではなく、このシリーズの為に 作られたオリジナル作品です。
シリーズも29作目を迎え、ややマンネリなきらいはあるものの、既に円熟の域に達している友達以上恋人未満な2人のやりとりがほのぼのと楽しく、 上述した郡上八幡の街並みを堪能しながらのんびり安心して視聴できる作品です。


フリーライター柏木尚子(片平なぎさ)とフリーカメラマン山本克也(船越英一郎)は長年コンビを組んで各地を取材するフリー仲間。今回は岐阜県・郡上八幡へとやってきた2人は時に口喧嘩しながら、和気藹々と取材を進めていた。
ある日、2人が泊まる旅館の仲居・加藤奈々子(いしのようこ)を地元の警察が訪ねてくる。というのも、数日前近くの造成地でトルコ石の指輪を嵌めた白骨死 体が発見され、その身元が数年前に行方不明となっていた奈々子の姉・須貝冬美(古川理科)ではないかと睨んでのことだった。
たまたまその場に居合わせた奈々子の恋人で食品サンプル工房の職人・広瀬忠彦(金山一彦)は、奈々子の本名が須貝と知り何故か動揺。
その翌日、近くで喫茶店を営む倉橋敦子(真行寺君枝)の店にトルコ石の指輪を嵌めた手首が入った箱が置かれる事態が発生。手首がロウ細工で出来ていたことから、広瀬の工房を訪ねた2人は、そこで刺殺体となった広瀬を発見。
事件を担当した刑事から、先の白骨死体と思われる冬美が5年前に勤務先の信用金庫から2000万円を横領し、男と逃亡したという話を聞かされる。
当初は、冬美をそそのかしたのは広瀬では?と思われたが、広瀬が殺されてしまったことから事件は混迷を深める。

一方、取材と事件の真相を追う2人は、郡上出身の日本画家・三宅雅之(京本政樹)と出会う。三宅は以前、奈々子姉妹をモデルに描いた絵が認められた経緯が あり、奈々子とは古くからの顔見知りであり、冬美の失踪後は2000万円の返済に追われる奈々子の相談相手にも乗っていた。
そんな中、白骨死体が冬美との判定が出る。悲嘆にくれる奈々子より、死体に嵌められていた指輪は恋人から贈られたもので、当時姉は妹にも秘密のその恋人をとても思っていたことを聞く。5年前の事件の目撃者が啓子だと知った2人は、話を聞こうとするが頑なに拒まれてしまう。

やがて三宅と啓子がかつて夫婦だったことが判明。尚子は三宅から啓子について話を聞くことに。ところが、2人が会食した翌朝、啓子の水死体が近くの川で発見される。しかし、どの事件にも微妙に絡む三宅には、犯行時刻に尚子とともにいたという完璧なアリバイがあった……。


今回の舞台は小さな町に13もの寺院が甍を連ねる岐阜県郡上郡八幡町(平成19年3月1日の町村合併により、現在は郡上市八幡町)。古い建築物が数多く残り、街の中心を流れる吉田川を筆頭に多くの川、水路が流れるこの地は全国各地にある”小京都”と呼ばれる城下町の中でも 今も尚その色合いが濃く残る風情のある町です。タイトルにもある「郡上おどり」は安土桃山時代から400年以上も続いている国内最大級の盆踊りです。
見るだけでなく、誰もが気軽に飛び入りで参加できる郡上踊りには、かつて第二次世界大戦の終戦を告げる玉音放送が流れたその夜にも中止となることなく開催された、という逸話が残っています。


この作品で京本さんが演じたのは、日本画家の三宅雅之。
あちこちで風景画を描いているため、紺色に深緑の模様が入ったセーターに綺麗なブルーのマ フラーを垂らし、グレーのパーカーというかなりラフなスタイル。回想シーンでは赤と黒のタータンチェックのネルシャツという珍しいスタイルも披露。絵筆や 鉛筆を手にデッサンを取る仕草が素敵です。 特に慈恩禅寺の庭園では、会話を交わしながらさりげなくブラシや絵筆を巧みに動かす細かさが嬉しいです。
全体的に優しい笑顔が多く、可愛い笑顔から何とも柔和な笑顔まで様々なバリエーションを楽しむことができます。

今回も例に漏れず犯人役ですが、これまでの犯人像とは違い、感情の起伏に乏しくいくつも罪を重ねながらも殆ど罪の意識を感じていないところが怖いです。
後半、犯行の手口が明かされそのあまりに身勝手すぎる考えが明らかになっても尚、贖罪の欠片すら感じられない姿には、ファンの目にも空恐ろしいものを感じました。
彼を愛し彼に関わったがために殺されてしまった彼女たちは、一体彼のどこに惹かれたのだろう?とファンにあるまじきことを思ってしまったほどです。
ただ、ここまで冷徹な犯人を嫌味なく、前半は寧ろ優しい笑顔が素敵な人と心底思わせてしまうのは京本さんならではです。
ごく普通の一見いい人に見える人が殺人犯、という昨今の現実社会における犯人像に近いものをドラマにも反映させた、とも言えますが、あまりにも自然にこなしているのも手伝ってか、ごく個人的にはちょっと苦手な役どころです。

文:紫苑

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