俳優・シンガーソングライター京本政樹ファンサイト

日本テレビ「静かなるドン FOREVER」

原作:新田たつお
脚本:小野喜世仁
監督:鈴木元

キャスト

近藤静也:中山秀征
秋野明美・坂本龍子:石田ゆり子
近藤妙:野際陽子
鳴戸竜次:鹿賀丈史
猪首硬四郎:阿藤海
生倉新八:なぎら健壱
佐々辺晋作:宮川一郎太
MR.J:京本政樹()

あらすじ

昼間は下着メーカー「プリティ」の落ちこぼれサラリーマン。
しかし、夜は1万人の子分を抱える関東最大の広域暴力団新鮮組三代目総長近藤静也。
血で血を洗うヤクザ同士の抗争に果てしない哀しみを感じ、このままでは極道に未来はないと信じる静也は日本有数の組長が集まるヤクザ・サミットで10年後 に日本の極道の解体を提案する。
鼻先で笑う組長の面々を前に、静也は自分の意見を静かに、だが強い意志を込めて説く。
そして一人ずつ話し合いたいと、まず は関西最大の暴力団鬼州組姐坂本龍子に約束をとり、ひとりサミットを退座した。
そんな静也を罵倒する組長連の中に、PCを駆使し、いずれは日本極道界を牛耳ろうと目論む、名古屋の葉祖根組組長葉祖根九八の姿があった。
一大勢力同士の新鮮組と鬼州組が手を組めば日本の極道の過半数が抑えられる。
そんなことになってはここまで密かに進めてきた野望が水泡に帰すことを危惧した葉祖根は暗殺者Mr.Jを雇い、密談していた静也と龍子を襲わせる。
龍子を殺され、次いで執拗に狙われ始める静也。
遂に埠頭でJと接近戦となる。それでも、そんな自分を狙ってくる殺し屋Jにすら、命を無駄にするな、と諭す静也だったが、Jは「もう遅い」と一言言うと、静也を抱き込み、海に飛び込んで自爆した。
間一髪で助かった静也だったが、龍子の死を乗り越え、自分をどんな危険に晒 しても推し進めようとするヤクザ解体計画を、静也の母であり、新鮮組姐である 近藤妙は断固として認めなかった。
揺ぎ無い静也に対して妙は、緊急幹部会を開くことを提案する。そこで組員すべてを説得できたら認めようという妙に、静也 はその提案を受け入れる。
だが、その緊急幹部会の日、静也の想い人で、「プリティー」のチーフデザイ ナーの秋野明美が葉祖根組に攫われる。静也の弱点である明美を攫い、静也を名 古屋まで向わせるためだ。
その知らせを受けた静也は、妙に新鮮組を破門すると言われても、すべてを振り切って名古屋へ向かう。
そこで静也を待っていたのは、顔半分にひどい火傷を負い、片足を失くしたJの姿だった。

京本ファン的みどころ

殺し屋京本さんが好きな方にはたまらない一品です!!
黒いサングラス、黒いロングコート、黒い靴。流れる栗色の髪、透けるような 白い肌。闇に光る銃身、銀のナイフ。
狙った獲物は確実にしとめるウルトラスナイパー、コードネームJ。
もう、初登場のシーンから思わず息を呑むほどの鮮烈さです。
いきなり照明が落とされ、背後にすっと立ったJに心臓はその瞬間鷲掴みにされます。
3回ある戦闘シーンでは照明による綺麗な陰影、華麗なアクションにただただうっとりする ばかりです。
表面的な美しさ、かっこよさは言うに及ばずですが、最初人らしい感情を微塵 も感じさせず、徹底的にクールで、金のためなら何でもやる冷徹非道のJが、静 也と触れ合ううちに見せる、かすかに零れ落ちるような表情がとても印象的です。
闇にのみ息づくはずの自分と静也に引き込まれそうになっている自分が相容れず、相手を倒すか自分が倒れるかでしか答えを出すことのできない哀しさにどう しようもなくやるせなくなります。
劇中では語られていないJの過去やその内面まで想いを馳せてしまいそうな、見た者に深い余韻を残さずにはおかない存在感 はさすがとしか言い様がありません。
最後まで皮肉気で、シニカルで、決して自分を曝け出さなくて、だけどどこか安 心したような、優しいとさえいえる穏やかな笑みには泣きそうになる切なさを感 じました。
話的には娯楽色の強い、結構笑えるというか突っ込める楽しい作品なのですが、 その中でそれだけに流されすぎないよう、ぎゅっと引き締めているのがMr.J の存在だと思うのは決してファンの欲目だけではないと思います。
見た目のかっこよさ、中身の切なさにきっとJのトリコになってしまうこと請け 合いの作品です(^^)!!

文:さくら

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