俳優・シンガーソングライター京本政樹ファンサイト

日本テレビ「家なき子」

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1994年4月16日〜7月2日まで日本テレビの土曜グランド劇場で放送された連続ドラマ
土曜21:00〜21:54(全12回)

スタッフ

企画・原案:野島伸司
企画協力・監修:野島事務所
脚本:高月真哉、いとう斗士八
演出:細野英延、萩原孝昭

キャスト

相沢すず:安達祐実
相沢悟史:内藤剛志
相沢陽子:田中好子
片島智之:保坂尚輝
田畑光江:菅井きん
黒崎和彦:京本政樹

解説

「同情するなら金をくれ!」
幼い頃から不幸な境遇で育った相沢すず(安達祐実)が、母(田中好子)の難病や度重なる虐め、父(内藤剛志)を始めとする信じていた人々の裏切りなど、数々の苦難の中、したたかに生き抜いていく姿と 先の読めない強引ともいえる激しい展開が受け、平均視聴率24%超、最終回はなんと37%を越える高視聴率を獲得した人気ドラマ。
冒頭のすずが要所で発する決め台詞は、当時の安達祐実ちゃんのまるでお人形のような可愛らしさとのアンバランさも 手伝って、強烈なインパクトをもたらし、その年の流行語大賞を獲得。また中島みゆきが歌う主題歌「空と君とのあいだに」も143万枚の大ヒット、とまさに記録づくめのドラマとなりました。

あの『高校教師』から1年。再び野島伸司氏からのたっての要望で出演された、このドラマで京本さんが 演じたのは天才外科医・黒崎和彦。
人体実験まがいの手術を行ったため、医師免許を剥奪されにも関わらず、その腕を求めて世界中から声がかかるという、あの巨匠・手塚治虫氏の 名作漫画の主人公を彷彿させる役どころ。一見ワルと見せかけ、その実医師として、また1人の人間として真摯な思いを秘めた、心優しき紳士な黒崎。これが見事に京本さんご自身が持つ魅力に嵌り、突然の途中出演だったにも関わらず初登場時から 話題沸騰。当初はすぐに消えるはずが、そのままレギュラーとして定着。更には映画、翌年の続編、果ては全く別のドラマにまで(!)そのまま登場してしまう ほどの人気キャラクターとなりました。今では「高校教師」と並ぶ現代劇での当たり役、と評されるこの黒崎先生で京本さんに目覚めた、という方も少なくないことでしょう。

黒崎医師の特徴は何と言ってもカッコよさ、それに尽きます。クールに決めた表情から何気ない仕草まで、 気障という言葉は彼の為にあると言っても過言ではありません(笑)。
時にやや時代劇がかった口調や カルテを閉じる仕草でさえ、効果音と相俟って「カ、カッコイイ・・(ぽわん)」と思ってしまいます(><)。
しかし、この先生ただカッコイイだけではないのです。くぅぅ〜〜っと見惚れていると時折、そんな表情アリ!?というような顔を見せてくれるのです。 まずはこのシーンから。
お金さえ積めばどんな違法な手術も引き受けるという噂の黒崎は、脳外科医の沢村先生に執刀を頼まれ承諾します。 難なく手術を終え、手を洗っていると沢村先生が「見事な腕前だったよ」と報酬の入ったアタッシュケースを置いて行き、 1人残された彼がそっと開けると中には札束が・・・というシーン。
一見なんてことない場面なのですが、この時の札束を見るめる表情に注目です!
大金を手にした喜びと、こんな自分に大金を払う相手を蔑んでいるかのような、嬉しさと侮蔑が入り混じった笑顔の凄まじさ。 ドクトル・ファウストを誘惑したメフィストフェレスが浮かべていたのもかくや、と思わせるようなまさに悪魔の微笑み。
こんな恐ろしい笑顔を見せたかと思えば、最後の登場シーンである孤児院の子供たちと戯れるシーンでは、”歌のお兄さん”も真っ青な、 否それよりももっと柔らかで優しい、本当に自然な笑顔を見せてくれます。これがあの黒崎先生!?と思わずにはいられない、どこかあどけなさ すら感じる表情は、何かと激しい(笑)このドラマの中で見るものの心をホッとさせてくれるいいシーンです。

全編を通じての総出演時間が30分強、と出番は少ないながら、ことごとく重要な役割を果たし、特にラストの台詞は最終回のキーワードにもなるという、 ひたすら美味しい役でした。

文:紫苑

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