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TBS開局50周年記念スペシャルドラマ「里見八犬伝」

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2006年1月2日〜1月3日に放送されたTBS開局50周年記念スペシャルドラマ

スタッフ

演出:土井裕泰
プロデューサー:鈴木早苗、中川善晴、那須田淳
脚本:大森美香
原作:滝沢馬琴著「南総里見八犬伝」

キャスト

犬塚信乃:滝沢秀明
犬川荘助:佐藤隆太
犬山道節:小澤征悦
犬飼現八:押尾学
犬田小文吾:照英
犬坂毛野:山田優
犬村大角:勝地涼
犬江親兵衛:山下翔央
足利成氏:京本政樹

解説

江戸時代後期に滝沢馬琴が戦国初めの関東八州を舞台に、仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌、八つの文字がそれぞれ浮かび上がる玉を持つ八犬士が、悪霊にとりつかれた伏姫と里見家の為に活躍する様を 描いた長編小説『南総里見八犬伝』。
古くはNHKの人形劇『八犬伝』や京本さん大ブレイクのきっかけとなった角川映画『里見八犬伝』等、様々な形で映像化されてきたこの作品を、 TBSがテレビ放送50周年特別企画としてテレビ化。正月特番大型時代劇として、1月2日と3日の2日間に渡り放映されました。

時は室町時代中期。各地で武将たちが領地を巡る争いを展開する中、安房国では山下定包(佐々木蔵之介)と妻・玉梓(管野美穂)の圧制・贅沢三昧に痺れを切らした領民が立ち上がり、里見義実(長塚京三)を新たな領主として2人を処刑する。その際、玉梓の助命を義実が聞き入れなかったことから、末代まで呪ってやる、との玉梓の宣言どおりその日以降、 安房国では凶作が続き周囲の武将から攻められる苦しい日々が続く。
1人戦火の中を許婚の金碗大輔(渡部篤郎)とともに逃げ延びた伏姫(仲間由紀恵)は、途中玉梓より「そなたは呪いの犬の子をはらんでいる」と告げられ、呪いを打ち払うべく自害。伏姫の腹から八つの玉、「仁」「義」「礼」「智」「忠」「信」「孝」「悌」が飛び出し散っていく。

数年後、大塚村に住む犬塚信乃(滝沢秀明)は、父の遺言を果たすべく古河の足利成氏(京本政樹)に名刀・村雨丸を届けに行く。しかし、途中で村雨丸が何者かにすり替えられ、成氏に追われる羽目に。逃亡の途中で信乃は自分が持つ「孝」の玉と同じように、「義」「忠」「悌」などの玉と牡丹の痣を持つ犬姓の犬士達に次々と出会う。
やがて、ゝ大法師(ちゅだいほうし)となった大輔から、里見と伏姫にまつわる話を聞いた信乃らは、残りの八犬士を探し里見の為に戦うことを誓い、新たな旅に出る。

50周年特別企画のお正月特番、というだけあり豪華な顔ぶれが勢揃い。八犬士とヒロイン・浜路には滝沢秀明、佐藤隆太、小澤征悦、押尾学、照英、山田優、勝地涼、山下翔央、綾瀬はるかの若手の人気者を。一方敵対する側には、京本さんをはじめ、大杉漣、武田鉄矢、佐野史郎、陣内孝則らベテランの個性派を。大塚村の住人には泉ピン子、渡辺いっけい、田辺誠一、小日向文世、杉本哲太のこちらもベテラン勢。その他にともさかりえ、坂本冬美、三浦理恵子、山下真司ら数々の作品でお馴染みのメンバーがズラリ。
特にベテランの方々は、過去から現在に至るまでTBSで大ヒットを放ったドラマで、いわゆる当たり役を演じた方々が多いのが特徴です。
また、キャストだけでなく衣装をワダエミ氏が担当し、時代劇の常識を打ち破る色使いや斬新なデザインで魅せてくれます。里見方を青、敵方を赤と視聴者にわかりやすく色分けし、その中でそれぞれのキャラクターに合った衣装で楽しませてくれています。また、鬘を使わずキャストそれぞれの地毛で個性的なヘアスタイルを作り上げているのも密かな見所です。
更に、衣装だけでなく各武将の城も例えば成氏は鏡張り、扇谷定正は水張り、とそれぞれに工夫を凝らしていたり、そして何より、全編を通じて映像がとても色鮮やかなのが大きな特徴です。

連日120分強の前・後編という長丁場ですが、豪華なキャストそれぞれの個性を活かした見せ場を随所に盛り込み、CGをふんだんに使ったスケールの大きな画面づくりで鎌田版とはまた一味違う、生きるため愛するものの為に戦う、というシンプルかつ清々しい物語を楽しむことができます。

さて、この作品で京本さんが演じたのは、上にも挙げたように公家の流れを汲む公方・足利成氏。わがままですこぶる評判の悪い殿様である、とのナレーションがつくくらい気位ばかりが高く、家臣は元より領民からも快く思われていないお殿様です。
信乃から一転、今回は悪の総大将とまではいきませんが、八犬士と里見を倒そうとする敵方。しかし、それが実によく似合っています。烏帽子に紅、白、金で彩られた派手な装束を身に纏い、金切り声を上げ家臣に威張り散らす様は、どこからどう見ても困ったお方そのもの。特に初登場となるシーンでの斜に構えた物憂げな表情は絶品。
ふとした仕草や立ち居振る舞いがとにかく綺麗で、とりわけ座り姿と背筋の美しさは多くの出演者の中でも群を抜いており、改めて時代劇役者であることを実感させられます。
公家のお方なので、基本的に激しい立ち回りなどがないのが残念ですが、それでも後編の序盤では、進言をする家臣を切りつける際にさりげなく鮮やかな刀捌きを披露したり、鎧甲冑姿で指揮を執る姿も見せてくれます。
個人的には終盤、戦に破れ里見方に引っ立てられていく無残な姿もかなりお奨めです。
そしてクライマックスの村雨丸返還のシーン。新旧2人の信乃の対面、堂々たる口調・見た目は細くとも貫禄充分な姿に月日の流れがしみじみ感じられ、ジーンとなってしまいます。

かつて角川映画で大ヒットした『里見八犬伝』。当時ブレイク寸前だった京本さんのあまりの美しさに未だに根強い人気を誇る犬塚信乃役。それから20数年の歳月を経て、今度はテレビドラマ化されたこの作品に、当時の出演者として唯一再出演された京本さん。 脇役ゆえ出番自体はさほど多くはないですが、確かな存在感でもって当時とは一味もふたあじも違う姿を見せてくれました。
この先、いつかまたこの物語が映像化されることがあるのなら、今一度新たな姿で登場し、またわくわくさせてくれることを願ってます。

文:紫苑

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