俳優・シンガーソングライター京本政樹ファンサイト

NHK金曜時代劇「御宿かわせみ第二章」

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2004年4月2日〜7月23日(高島礼子版第二章)にNHK金曜時代劇枠で放送された時代劇の第12話

キャスト

庄司るい:高島礼子
神林東吾:中村橋之助
畝源三郎:宍戸開
忠三郎:京本政樹

解説

江戸後期、深川の外れ大川端(現・隅田川)沿いに建つ、旅籠「かわせみ」を舞台に、女主人庄司るいと幼馴染であり後に夫婦となる、武士・神林東吾を主人公に、「かわせみ」を取り巻く人々が市中で起こる事件を解決する様を描いた、平岩弓枝氏の長編捕物帖「御宿かわせみ」。
江戸に暮らす人々の息遣いが聞こえてくるような、情緒溢れる描写と思わず惹き込まれずにはいられないストーリー展開で、昭和48年の発表以来、現在に至るまで超ロングセラーを続ける時代小説の傑作です。
テレビの世界でも1980年に真野響子さん、小野寺昭さん主演でドラマ化され大好評を博して以来、役者やテレビ局を変え何度もドラマ化されてきました。
そして2003年。NHKでは21年ぶりに、高島礼子さん、中村橋之助さんを主役に再ドラマ化され、今年(2004年)4月より第二シリーズが放映、好評のうちに終了しました。

京本さんは、この高島版『御宿かわせみ』第二シリーズ12話『酸漿は殺しの口笛』にゲスト出演されました。

東吾は定町廻同心・畝源三郎(宍戸 開)の依頼で、日本橋の呉服商江嶋屋の入り婿・忠三郎(京本政樹)を調べることに。娘のたっての願いで婿となった忠三郎は、美男で評判もよく申し分ないのだが、隙がなくどうにも気が許せないという。元は沼津の武士で、病気の妹おしず(秋本奈緒美)を橋場の別宅に住まわせているらしい。
一方、るいは小梅村の名主の娘・お三重(滝祐可里)より、幼い頃に生き別れた母にそっくりな女性を見かけたので、確かめたいと相談を受ける。るいから話を聞いた東吾がお三重の叔父を訪ねてたところ、お三重の母・おとくは忠三郎の妹・おしずで、10年ほど前に久之丞という男と駆け落ちしたことが判明する。
そんな中、忠三郎が動いたとの報を受け、江嶋屋で待ち伏せる東吾達だったが……。

金曜時代劇には『宝引の辰』以来、実に9年ぶりの登場となった京本さん。
未だに年齢を感じさせない若い役柄ながら、大人の色気たっぷりにしっとりと魅せてくれました。
この忠三郎、原作ではかなり冷酷な人物として描かれているのですが、ドラマでは、そういう部分も持ち合わせながらも、好いた女(おとく)との純愛を貫く男として描かれているのが嬉しいです。
また、最初は呉服屋の若旦那らしく中剃り姿での登場ですが、ドラマが進むにつれシケのある鬘姿に盗賊姿、そして最後にはポニーテール姿まで披露してくれるサービスぶり。

呉服屋の若旦那としては申し分のない忠三郎。反物を扱う柔らかな手つきも美しく、「かわせみ」の中居達が、その色男ぶりに「ぽぉっ」となってしまうのも無理からぬ、というくらいの眩しさです。特に、お茶を一口含み「美味しい」と言うくだりでの絶妙なまでの間、流し目には、お吉ならずとも参ってしまうこと間違いナシです。
冒頭のおとくとのシーンから後半の立ち回りまで、見どころは盛りだくさんですが、その中でも特にお薦めはクライマックスでのおとく親子とのシーン。
再び娘であるお三重を捨て、忠三郎とともに行くことを決意したおとくを抱き寄せ、呆然と見送るお三重に「ごめんよ」とわびる忠三郎。その声音の哀しさ、眼差しの切なさ、そして抱き寄せる手の力強さに、おとく親子を思う気持ちが窺え、じーんときてしまいます。

全てを捨て愛する人と生きるか、子供を取るか?
女性なら考えずにはいられない究極の選択ですが、ラストのおるいの述懐と忠三郎の腕の中のおとくの笑顔に思わず頷いてしまう、哀しいけれど、見る者を優しい気持ちさせる素敵な余韻が残る恋物語です。

kawasemi

文:紫苑
絵:だんな

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