俳優・シンガーソングライター京本政樹ファンサイト

TBS「水戸黄門 第24部」第33話『御用金送りは悪の罠・福島』

キャスト

水戸光圀:佐野浅夫
佐々木助三郎:あおい輝彦
渥美格之進:伊吹吾朗
かげろうお銀:由美かおる
柘植の飛猿:野村将希
うっかり八兵衛:高橋元太郎
静香:伊織静香
名張の翔:京本政樹
ほか

スタッフ

制作/逸見稔 プロデューサー/五十嵐通夫 大庭喜儀 山田勝
原作・脚本/葉村影子 脚本/田口耕三 題字/朝比奈宗源 特技/宍戸大全
撮影/片山顕 照明/伊勢晴夫 監督/金鐘守 ナレーター 杉山真太郎
主題歌「ああ人生に涙あり」作詞/山下路夫 作曲/木下忠司 唄/あおい輝彦/伊吹吾朗
制作協力/東映太秦映像  製作/C・A・L

解説

本家水戸黄門に名張の翔登場!前シリーズで人気を博した名張の翔が、なんと本家水戸黄門にゲストで登場しました!
本家水戸黄門の今回の旅は、薩摩への世直し旅。
薩摩藩での陰謀を見事打ち砕いたご老公一行は、諸国漫遊をしながら水戸への帰路に着きます。
前半、旅の供をしていた静香役の伊織静香も、無事に大願を果たし故郷で落ち着いて暮します。最終回が通産777回目になるという記念のシリーズ、北海道と沖縄を除く全ネット局サービスエリアを必ず一度は通るルートのため、ご老公一行はかなりの寄り道をしている模様です。

仙台を後にし福島を目差すご老公一行は、奥州街道を旅していた。
そこで山伏一行と行動を共にする、六部に身をやつした名張の翔を見かけます。翔の行動に不審を覚え、仔細をお銀と飛猿に探らせ先を急いだ一行は、ご城下近くで腰を痛めた武家の婦人を助けます。その婦人は潮田数馬の母・知恵乃。ご老公一行はこの屋敷に宿を取ります。
次席家老・都築紋太夫、勘定奉行・佐伯幹十郎の命により御用金を江戸屋敷まで運ぶ任に付くことになった数馬。25年前、知恵乃を巡っての恋に破れた都築紋太夫はそれを根に持ち、数馬を罠に陥れ、御用金強奪を画策していた。その御用金を奪うために雇われたのが、翔が潜り込んだ天地坊を頭とする我善坊(崎津隆介)幽玄坊(小川敏明)の山伏一行だったのだ。

六部の白装束に身を包み、下ろし髪を束ねた姿で登場の名張の翔。
今回は悪人側にもぐりこんで六面八臂の大活躍で、登場シーンも盛りだくさんです。
山伏一行と出会う滝でのシーンなど、身をかわす仕草も凛々しく、ため息しかでません。
とにかくカッコいいの一言に尽きます。(いつもなんですが)

御用金を奪い手に入れた二千両を、これも悪党仲間の荒谷屋が、何食わぬ顔で藩に貸し付けるという悪巧み、仲間に潜り込んだ翔は、止めを刺す振りをして数馬を逃がします。
翔の発案により御用金を奪い返し、悪を懲らしめるためにご老公一行は立ち上がりますが・・・。

水売りに化けて全員を眠らせ、その隙に御用金を奪い返すこの作戦。水が酒だったりしますが(いえ、元々酒売りなんですが)、水戸黄門シリーズでは結構多用されているシチュエイションです。
個人的に、このとき八兵衛が歌っていた歌が耳に付いて離れないんですが、それはともかく、前日の夜に全員の水を捨てたりしている翔の姿がいじましいです。
その後馬に乗っていち早く駆けていく姿のカッコいい事といったら、もう、文字でお知らせするのなど不可能なほどです。全く。
杖に仕込んだ刀で華麗に舞うような殺陣を堪能できるのも、この作品の見所のひとつです。ほんとにカッコいいですから!

本シリーズ中に制作を担当していた逸見稔氏が急逝。この「水戸黄門」や「大岡越前」、「江戸を斬る」など数々のTVドラマを手がけた名プロデューサーの突然の死は、本当に残念でなりません。本作では企画として名前が残っています。
ちなみに原作、脚本でよく名前が登場する「葉村影子」とは実在の人物ではなく、逸見氏が中心となった創作集団の共同ペンネーム。向田邦子や柴英三郎なども参加していたらしいです。その昔、こんな凄い話を次々と書く人ってどんな人だろう?素敵な女性なのだろうなぁ、と考えていた幼い頃が懐かしくもありますが。

湖畔に佇み歩き出す六部姿を最後に、TVから名張の翔が消えてしまったのが本当に本当に残念なのですが、その気障な台詞回しとカッコ良過ぎるあの姿を、永遠に私たちは忘れる事がないでしょう。放送から10年も経ってしまった今となっては、「名張の翔」復活は無理とは思いますが、あの時あの姿が放送された幸福感をいつまでも忘れずに、また新たな役に京本さんが挑んで下さるのを心からお待ちしたいと思います。

文:桂

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