俳優・シンガーソングライター京本政樹ファンサイト

東宝「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ歌うケツだけ爆弾!」

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キャスト

野原しんのすけ:矢島晶子
野原みさえ:ならはしみき
野原ひろし:藤原啓治
野原ひまわり:こおろぎさとみ
シロ/風間くん:真柴摩利
お駒夫人:戸田恵子
時雨院時常:京本政樹

解説

綺麗なお姉さんが大好きで、何かというと人前でお尻を出し下品なギャグを言い、大人顔向けのこまっしゃくれた言動で周囲を慌てさせるという、それまでの子供向けアニメの常識をことごとくぶち破ったスーパー幼稚園児・クレヨンンしんちゃんこと野原しんのすけ(5歳)。 1992年4月13日の放送開始以来、その斬新な内容はお茶の間を直撃。翌年の1993年には20%を越える視聴率を叩き出し、「しんちゃんブーム」を巻き起こしました。
独特な言動や、従来のアニメではタブーとされていたネタの数々などから、日本PTA協議会が主催する「子供たちに見せたくない番組アンケート」では毎年上位にランクインされる、という不名誉な(?)記録を更新し続けていますが、 番組の長寿化とともに近年では再評価の声も高まっています。
既に15年超という長期にも関わらず、現在でも安定した人気を誇り、「ドラえもん」と並ぶテレビ朝日の看板アニメ番組です。
通常は30分枠に2〜3本の短編を放送していますが、1993年から毎年1本のペースで劇場版が製作・公開され、こちらも根強い人気を誇っています。

そんな「クレヨンしんちゃん」劇場版15周年を記念して製作されたのが、今回の作品『クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!』です。
記念作品ということで、102分とシリーズ最長の上映時間に、特別ゲストとして京本政樹と戸田恵子を加え、家族愛をテーマに子供から大人まで楽しめるスペクタクル作品に仕上がっています。

父ひろしの勤続15年を祝って母・みさえ、妹・ひまわり、愛犬・シロとともに一家で沖縄旅行を楽しむしんのすけ。ビーチでシロとボール遊びをしていたところ、突然空から奇妙な円盤が襲来。 円盤に気づかず、岩場でお尻フリフリをしていたしんのすけをかばったシロのお尻にその円盤がささってしまう。しんのすけはもちろん、ひろしの力でも取れないそれは、まるでオムツを履いたような恰好だったが、取れないものは仕方なく。一家はシロのお尻に妙なものをくっつけた まま沖縄を後にした。
その頃、宇宙監視センターUNTI(Unidentified Nature Team Inspection 通称ウンツィ)は、1個で地球を吹き飛ばすほどの威力をもった爆弾を察知。衛星カメラで所在を確認したところ、何とそれはシロのお尻にくっついている円盤だった。直ちに爆弾を回収すべく、彼らはしんのすけ一家の 追跡を始める。

ウンツィたちは空港でしんのすけ一家を発見、早速シロを捕獲しようとするが、正体不明の美女2人に邪魔をされ未遂に終わってしまう。影で激しい攻防が繰り広げられていることに気づかないまま、無事東京へと戻っていた野原一家。 空港から春日部の自宅へ戻る途中、謎のひなげし歌劇団と遭遇。すんでのところで振り切り、ようやく我が家に戻った家には見知らぬ男が茶を飲んでいた!?
実は、彼こそがシロの捕獲を指示した人物、UNTIの長官・時雨院時常(しぐれいんときつね)だった。時雨院より、シロに装着しているものは、地球を丸ごと吹き飛ばす威力を持った爆弾であること、どうやっても取り外せないことを知らされる。 更に、人類を救うためシロごとロケットで宇宙へ飛ばすことを告げられる。
悩んだ挙句、シロを差し出すことに同意したひろしとみさえだったが、どうしてもシロと離れたくないしんのすけは1人シロを伴い時雨院の部下で固められた自宅を 飛び出す。騒ぎを聞きつけ集まった幼稚園仲間のトオル、ネネら4人の協力を得てウンツィとひなげし歌劇団から逃げるしんのすけとシロ。しかし、遂に力尽きたしんのすけを見たシロは自らウンツィ達の元へ歩き出したのだった。

やがてウンツィ本部で目覚めたしんのすけは、シロが捕らわれてしまったことを知る。人類、そして野原一家の為にシロのことは諦めろ、と告げるひろしに 「シロはオラの友達だ。シロも含めてオラ達野原一家だ!」と反発。その言葉に打たれたひろしとみさえは、しんのすけと供にシロを救い出すことを決意する。
果たしてシロはこのままロケットとともに宇宙の藻屑と消えてしまうのか。しんのすけはシロを救うことが出来るのか……!?

俳優としては、時代劇から現代劇、特撮モノまで幅広いジャンルで様々な役を演じてきた京本さんですが、声優は今回が全くの初めて。
なのでご本人曰く「かなり大変な思いをしてやりました」というその役は、上のあらすじでもバシバシ登場したUNTI長官・時雨院時常。
常に計画をしっかり立て、事が計画どおりに実行されることに何よりも生きがいを感じる、超がつく几帳面であると同時に、計画の為には人命さえ厭わない 冷酷な一面を持つ男。
オールバックをビシっと決め、常に眉間に皺を寄せている時雨院、顔はともかく色んな面で京本さんを意識した人物になっています。ニヒルな言動はもちろん、その色の白さたるや、思わず京本さん本人ですか?と言いたくなるくらいです。序盤、時雨院さん早く登場しないかなーと待つ身に、 言葉を発するより早く、その手の白さで「来たーーー!」と喜ばせてくれたほどリアルな白さ。
他にも手帳を頭上に投げ、絶妙のタイミングでキャッチしたり、クライマックスではお約束のあのキャラクター(但し、”ひろしバージョン”です 笑)まで登場するサービスぶり。

通常、アニメのアフレコは全員が台本を片手にそれぞれのシーンを台本どおりに声で演じていきますが、多忙な京本さんはスケジュールが合わず、自身の出演部分のみを1人で演じることになりました。初挑戦な上に、1人では台詞を発するタイミングが取りづらい等、色々不安な面があり 心配されたようですが、そこは流石演技派として知られる京本さん。本編では全く違和感を感じさせない、見事な声優ぶりを発揮しています。
冷静沈着に状況を説明するシーンは、ドラマでも見慣れた(聞き慣れた?)調子ですが、しかめっ面が浮かんできそうな舌打ちや、シーンによってはその声どっから出したの?、と感嘆してしまう様々な声音を聴かせてくれます。
そのバリエーションたるや、普段のドラマで見せる表情に 匹敵する多彩ぶりで、声を聞いているだけで色んな表情が浮かんできてたっぷり楽しめます。
個人的には、クライマックスで計画が狂いそうになったシーンでの、急にガラが悪くなった話し方がツボです。「○○すんじゃねーよ」というような、ごく普通のくだけた話し方ですが、それまでのギャップに加え、声だけなのに「カ、カッコイイ……」と 思ってしまうその口調と声音がたまりません。
しかし、そんなカッコ良さを見せ付けて(聴かせて?)くれた時雨院も、しんちゃんの手にかかるとたちどころにオカシナおじさんに変身。「ウンチのおカンチョー」さんや「おじさんの襟元にウ○チ がついてるー」呼ばわりされ、忌々しさを露わにしたり、最後にはひろしの策略か(?)下痢ピーになった姿(声)まで披露してくれる、という徹底ぶり。俳優としては決して見られない姿だけに、貴重な声の数々が嬉しい限りです。

また、京本さん同様もう1人のゲスト、戸田恵子さんも劇中「それが主役の務め」と言ったように”戸田恵子オンステージ”と言っても過言ではない、全編に渡り見事な歌声を含む美声を響かせてくれています。
戸田さんといえば、世間では『アンパンマン』で御馴染みですが、かつて『スマスマ』に初出演した折、あのキムタクやゴローちゃん(稲垣吾郎)が殆ど素で「すげぇ、本物のマチルダさんだよ〜〜」と 大喜びしたくらい、一部ではマチルダさんの人として知られています(苦笑)。
今回も、その一部の人向けか、シロとの交換条件としてしんちゃんに差し出したのが”黄金のカンタム”だったり、UNTI本部での「哀戦士攻撃ー!」等、 スタッフの遊び心にニヤリとさせられます。
遊び心といえば、時雨院が計画達成の暁を祝う為に用意していたシャンパンのラベルが1979となっていたのですが。1979年といえば京本さんがデビューした年です。 それから長い年月をかけてワインがいい具合に熟したように、役者として満を持しての声優挑戦を祝うスタッフの方の気持ちを遊び心風に託してみたように見えたのは、ファンの欲目過ぎでしょうか(笑)。

おまけとして最後にどうでもいいけれど、びっくり感心したことをひとつ。
『クレヨンしんちゃん』と言えば、あのしんちゃんの顔に象徴されるように、かなりデフォルメされた絵柄が特徴です。今回の映画でも、殆どそういう感じの絵柄でしたが、コンビニの看板や、飛行機から見た羽田空港の空港ビルの雰囲気、ライトアップされた夜桜の美しさなど、 細かなところが目を見張るくらいリアルで丁寧に描かれているのに驚きました。こういう何気ないところをきっちり描いているからこそ、各キャラクターの親しみやすい、特徴のある絵が活きるのだな、としみじみ思いました。

沢山笑って、少〜しハラハラドキドキを味わい、ところどころしんみりさせて、ラストはもう一度笑顔になれる、家族の良さ・素晴らしさを再確認させてくれる、文字通り親子で楽しめる素敵な作品です。

文:紫苑

映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾! [DVD]

  • 販売元:バンダイビジュアル( 2010-11-26 )
  • 時間:106 分
  • 1 枚組 ( DVD )

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