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東映「スケバン刑事・風間三姉妹の逆襲」

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1988年2月11日公開の映画(東映)
TVスケバン刑事シリーズの映画版

スタッフ

監督:田中秀夫
脚本:橋本以蔵
原作:和田慎二

キャスト

風間唯:浅香唯
風間結花:大西結花
風間由真:中村由真
関根蔵人:京本政樹
依田:萩原流行
暗闇指令:長門裕之

解説

1976〜1982年まで連載され、絶大な人気を誇った和田慎二の代表作『スケバン刑事』(花とゆめCOMICS)。1985年4月に東映が斉藤由貴主演でフジテレビ系にてドラマ化。シリーズ終了後、続けて1985年11月からは 南野陽子主演で第二シリーズ・少女鉄仮面伝説篇がスタート。「おまんら、許さんぜよ」の決め台詞でこちらも人気を博し、続けて浅香唯主演による第三シリーズ・少女忍法帖伝奇篇がスタート。第三シリーズ放映 中の1987年2月には南野陽子主演で初の映画『スケバン刑事』が公開。劇中での二代目と三代目の共演が話題となりました。
そして、第三シリーズ終了後にファンの熱い要望に応える形で製作されたのが、2本目の映画となった本作『スケバン刑事 風間三姉妹の逆襲』です。

1988年、全国から集められた優秀な学生により、学生刑事組織が結成された。
彼らは青少年治安局の管理下に置かれ、荒廃した学園の正常化を目的とした。

風間唯(浅香唯)は学生刑事の一員として、都内の治安維持に努めていたが、次第に青少年治安局のやり方に疑問を覚え、自分を学生刑事に推薦した暗闇司令(長門裕之)の元を訪れる。当局の行いに不平を洩らす唯だったが、司令に「納得のできぬ ことがあっても自分の目でしっかり見据えろ」と諭され、再び任務に戻ったのも束の間。ライブ会場での暴力まがいの摘発に業を煮やした唯は、捕えられそうになっていた子供たちを逃がすため遂に他の学生刑事と敵対、青少年治安局を脱退する。
一方、暗闇司令の命により、青少年治安局の長・関根蔵人(京本政樹)の動向を探っていた依田一也(萩原流行)は、情報の入手に成功。しかし直後治安局のメンバーに追われ、由真(中村由真)と結花(大西結花)にディスクを託し息を引き取る。
暗闇司令も国家反逆罪の嫌疑をかけられ、青少年治安局に幽閉されてしまう。
九州の牧場で穏やかな日々を送っていた唯は、結花、由真とともに青少年治安局と戦うことを決意。帰京するも待ち構えていた学生刑事に結花、由真は捕らわれ、1人逃げ延びた唯は以前助けた子供たちの頭領・坂東京助(豊原功補)らとともに 姉の奪還、青少年治安局の野望を打ち砕くために立ち上がる。

スケバン刑事劇場公開版2作目となった今作では、1作目と同じ田中秀夫氏が再びメガホンを取り、アクション満載の中に淡い恋模様も描いた青春映画に仕上がっています。 主な登場人物はスケバン刑事?とほぼ同じですが、各人の設定にかなりの変更が加えられており、テレビシリーズの続編というよりは、劇場版のみの特別作品という意味合いが濃く、 映画ならではの大掛かりな仕掛けで楽しませてくれます。
また、京助率いる番外連合と学生刑事の対決では、1960年代後半〜70年にかけて全国で起きた学生運動、いわゆる全共闘運動を彷彿させるシーンが数多く盛り込まれているのも見どころのひとつです。

この作品で京本さんが演じたのは青少年治安局局長・関根蔵人(せきねくらんど)。
「21世紀における治安政府の完成」という論文を発表し、国際司法学会でセンセーションを巻き起こし、司法大学院生でありながら 来年の司法庁入りを前に仮入庁し青少年治安局を設立したスーパーエリート。その若さで国家を牛耳る、という妄想にも似た野望を胸に、常に相手を見下すような冷ややかな視線を送る 孤独な男。一見、冷静沈着に見えて、冷酷な悪にありがちな追いつめられると途端に気短になり子供じみた行為に走る、という面も持ち合わせており、中盤以降は期待にたがわぬ常軌を逸した行動を見せてくれます。

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オールバックに決めた髪の前髪半分をはらりと落とし、颯爽と白のロングコートを羽織り、銀縁眼鏡を指の腹でそっと押し上げる仕草の小憎らしさは京本さんならでは。いかにも気取った歩き方や背筋の伸ばし具合、初登場シーンでの白いマフラーとコートを 丁寧にコートかけにかけるシーンなど、ちょっとした部分にも京本さんらしさが満載です。
個人的には、計画の進行具合を述べる学生刑事を前に「これで愚図な政治家たちも動かざるを得ないだろう」と満足そうに答える前後の眉と瞳の動きは必見。 冷たい口調もさることながら、蔵人の冷徹さが凝縮されたかのような目もとの動きに注目です。
目といえば、もうひとつ。野望実現を前に「ワルキューレの騎行」を聴き入る蔵人の目のみをアップしたシーンも見逃せません。ファンのツボを押えたカメラアングルと、 ワルキューレというあまりにベタな選曲にニンマリさせられます。
絵に描いたような悪役な上に、ラストの卑劣さにげんなりする部分もあるかと思いますが、この時期ならではの色気に溢れた姿の数々がフィルムとして残された貴重な作品です。

また、外道連合のリーダーを演じた若き日の豊原功補さんの熱演も必見。
冷徹な蔵人とは対照的に情に篤く面倒見がよい京助ですが、いざというときの頼りなさも露呈してしまう、そんな人間味溢れる青年を 体当たりで演じています。今では映画、ドラマ等で幅広く活躍される豊原さんが、純情高校生のようなほのぼのとしたラブシーンを披露していたり、恐ろしく垢抜けない姿で♪ギンギラギンにさりげなくー とやや調子外れに熱唱するなど、かなり貴重な姿がてんこもり。
京本さんともどもご本人としては若き日の過ちとして葬り去りたい作品のひとつ(?)かもしれませんが、セピア色の画面から漂うノスタルジーさがたまらない、ほろ苦い青春映画としても楽しめる1本です。

文:紫苑
絵:だんな

スケバン刑事 風間三姉妹の逆襲 [DVD]

  • 販売元:東映ビデオ( 2005-06-21 )
  • 時間:91 分
  • 1 枚組 ( DVD )

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