俳優・シンガーソングライター京本政樹ファンサイト

松竹「おれは男だ!完結編」

1970年代初め、森田健作さん主演で大ヒットした青春ドラマの決定版「俺は男だ!」。
放送終了から10余年。いつの日か続編を、との森田さんとファンの方々の強い思いがついに叶いました。
今回の映画化にあたり、マドンナの「吉川君」はオーディションで選ばれた田中久美さんが演じています。


サイパンの日本語学校で教鞭を取っていた小林弘二(森田健作)は、渡辺校長のたっての願いで母校・青葉高校に教師として赴任することに。
しかし、タツ(ミヤコ蝶々)の「今の青葉は死んでいる」の言葉どおり、久しぶりの母校で目にしたのは勉強に明け暮れ、活気をなくした生徒達の姿。病気療養中の校長に代わり、指揮を執る教頭・大田(長門裕之) は有名大学への進学こそが全て、部活動は勉学の妨げになるだけ、と公言して憚らない。
小林が心血を注いだ剣道部も今はなく、運動部は唯一全国制覇をしたアメリカンフットボール部のみ。
校長から剣道部復活を託された小林は、早速校内放送で剣道部入部を呼びかけるが、集まったのは藤田1人。しかし2人で稽古を始めた小林に、街の住民やかつて青葉と縁があった人々はエールを送る。

やがて少しずつ部員も集まってきたが、どうしても剣道部を認めたくない教頭とPTA役員は、今年の県大会に出場しなければ廃部にすると通告してきた。現在の部員数は3人。大会には最低5人の部員がいなければ出場不可となってしまう。藤田達は、元は剣道部員だったという伊藤(吉田友紀)に声をかけるも、何故か伊藤は頑なに拒否。
そんな伊藤が突然、小林に剣道部入部をかけて 勝負を挑んできた。悩んだ末、伊藤との勝負に臨んだ小林は見事に打ち負かす。当の伊藤は結局入部しなかったものの、妹かおるを含む新たに2人の女生徒が入部し、晴れて大会に出場できることになった小林達は、早速県大会を目指し合宿を始めた。始めは冷ややかだった生徒達も彼らを応援し始める中、どうしても認めたくない大田は一計を案じることに・・・。


少年時代、森田さん演じる「おれは男だ!」の世界に憧れ、自ら当時母校になかった剣道部を立ち上げた京本さん。今回の映画化に当たり、森田さんからの出演依頼もふたつ返事で快諾し、これ以降の森田作品へ皆出席を果たす1作目となりました。
そんな憧れの作品で京本さんが演じたのは、化学を担当する2年の学年主任・荻原信彦。
少年時代に見ていた作品なのに、何故に生徒役でなく同僚なのか?と抗議する京本さんに、「君には教師が似合う」と宥めた(?)森田さんの言葉どおり、どことなく後の当たり役を彷彿させるクールな印象で白衣がよく似合っています。
教頭が掲げる理念に共感し、最初は小林を冷ややかに見ていた荻原ですが、 徐々に小林の言動に心を動かされ、最後はがっちり熱い握手を交わすまでに。試合会場の外で「ありがとうございました!」と固く握手し合うシーンでの、お2人の熱い眼差しに注目です。どちらも本当に嬉しそうで、思わずこちらも頬が緩みます。

また、丹波哲郎、池波志乃、中尾 彬、藤木 悠、長門 勇、浅丘雪路、竹脇無我etc.とても書ききれないほどの豪華な友情・特別出演の顔ぶれは、それだけ多くの人に愛された作品だったことに感銘を覚えるとともに、こんなところにあの人が!と 小さなシーンでも楽しめる要因になっています。

元は70年代の作品のため、21世紀の現在ではややベタな展開と言えなくもないですが、生徒達が懸命に剣道の稽古に励む姿や、それを温かく見守る人々の様子、そして何よりも時に悩みながらも、信じた道をまっすぐ突き進む「小林君」の姿が眩しく、 素直に青春っていいな、と感じさせてくれる物語です。
リアルタイムで楽しんでいた世代はもちろん、当時を知らない世代にも楽しめる爽やかな作品です。これを見て夕日を見ると、無性に『さらば涙と言おう』が歌いたくなるかも?

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